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執筆者の写真マクニコル

ペットショップとブリーダーの違い

更新日:2020年4月4日

犬を購入する際、ペットショップからかブリーダーから買うか、皆さん悩むと思います。その違いや利点をドッグトレーナーの視点から紹介いたします。

はじめに、必ずしもどっちが良いかは決まっておません。良いペットショップも居れば悪質なブリーダーも居ますし、そしてその逆ももちろんあります。最終的には犬を迎え入れる側が適切な質問をしながら決心する必要があります(質問の仕方は最後の方に書いております)。

 

ペットショップの場合

(ペットショップによるのであくまで参考としてお考え下さい)


良い点

  1. すぐ見に行ける

  2. 扱ってる犬種が多い(人気の犬種が多い)

  3. 犬を飼う時に必要な物も全部一緒に揃う

  4. 子犬を買ったら色々と割引が付く (永久あるいは期間限定)

  5. 子犬が万が一定められた期間内に病気や死亡した場合保証制度がある(お店による)

  6. 毎日色んな人を見たり抱っこされたりしてるので人に慣れているケースが多い。

  7. 店舗なので子犬を買ってから連絡が取れなくなることはほぼ無い。

  8. 基本条件なしで誰でも子犬を買える。


悪い点

  1. 商品扱いなので外での散歩や他の犬と遊ぶ経験がない。

  2. 母親や兄弟から早く引き離される。法律で守られていますが、早い子でも生後1カ月未満で引き離されているケースもあります。販売開始は生後49日後と決まっていますが、輸送や競り市(店が買う)の場合自力で食事が出来るかが条件となります。 2.1 早く引き離せられると犬の社会を学ぶことが出来ず、他の犬に対してどう遊んだりするかも分からない事もあり。仲良くしたいのに間違った信号を出して喧嘩になったりする。甘噛みが本気噛みに近いことが良く有る。

  3. 子犬の両親の状態が分からない。年齢、性格、高齢出産、遺伝による病気、血統的に近すぎる等様々な問題が買ってから分からない。 利益の為に遺伝疾患を無視したり、意図的に雑種を繁殖させる事もする

  4. スタッフの犬種による知識が薄いケースもある。例えば多頭飼いの場合の犬種の組み合わせや、そもそもその犬種や子犬の性格、ルーツなどを理解してないこともあり販売を優先してしまう。最近良く聞くのは”トイプードルは初めての方でも買いやすいですよ” でも実際はスカイラボに来てる方で問題行動で悩んでる方はトイプードルの方が多い(販売頭数も関係ありますが)。

  5. トイレの問題が多い。狭い空間で生活してる分本来の本能的な行動が出来なくなり諦める。例えば本来で有れば犬はきれい好きで寝床で絶対お楚々はしませんが、環境が悪いと気にならなくなってトイレの上で寝たりする子も居ます。食糞もそのキレイ好きの原理が働いて自分の部屋に臭いものを置いておきたくないのでしょうがなく食べて処理する子も居ます。

  6. エネルギーが溜まりすぎて問題行動につながるケースがあります。

  7. 犬同士の感染症等のリスクが高い。

  8. 売れ残った子は・・・ (店による)



 

ブリーダーの場合

(ブリーダーによるのであくまで参考としてお考え下さい)

良い点

  1. 両親や兄弟が見れる(両親を見させてくれない場合は要注意)

  2. 育った環境が見れる、そしてブリーダー(売主)に直接会える

  3. 買う前に基本的なしつけトイレ、コマンド等が施されてる(ブリーダー寄る) 3.1引き取り日までにしつけを頼める。例えば室内でトイレをしてほしい場合はトイレシーツでちゃんとしてくれるように出来る。そのほかに散歩の仕方やボール遊びの楽しさを教える等

  4. 特定の犬種に特化してる場合が多く、出産等に立ち会ってるのでかなりの犬種や子犬に対する知識があるのでどう言う性格になるかとか何を好むかが大体わかる。

  5. ペットショップより長く両親や兄弟同士で犬の社会を教えあってるので遊びや他の犬に対して対応力がある。

  6. 買った後兄弟同士のつながり出来るので成長に合わせて悩み事や相談はお互い出来る(ブリーダーによる)

  7. 販売後の保証もペットショップ同様ある。(みんなのブリーダー等のサイトを使った場合)

  8. しっかりした血統を持ってる子が多い。ブリーダーは犬種に特化してる場合が多く、 犬種の保存や犬質の向上を目的とした繁殖をしている (ブリーダーによる)

  9. 仲介業者等を使わないのでペットショップより安く買える場合がある。

悪い点

  1. ほしい犬種のブリーダーが近くにない。その場合遠出してブリーダーに会いに行くか出張してもらうことも出来ますが、その分交通費が加算されます。

  2. ブリーダーが求めてる水準に満たしてないと買えない(犬にとっては良いことですが)。例えば一人暮らしで日中仕事してる方や高齢の方は断られる場合もあります。

  3. 悪徳ブリーダーによる詐欺、販売後連絡が取れなくなることもある。

  4. ちゃんと社会勉強をさせてないブリーダーもいます。その場合犬同士は大丈夫ですが人がちょっと苦手という犬もいます。

  5. 利益重視のブリーダーも居るので 、遺伝疾患を無視したり、意図的に雑種を繁殖させる事もする 。

  6. ブリーダーの 多頭飼育崩壊 のリスクがある。


 


買う前にするべき事

ペットショップとブリーダーはどっちが良いかは明確にはわかりません。そしてお店やブリーダーによって良いか悪いかが分かれます。 では、どうすれば良いのか? それは買う側がしっかり必要な情報を聞き出さないといけません。質問を聞く前に入店時でも色々と重要な情報をえることもできます。


入店時・訪問時

入店する時あるいはブリーダーを訪問する時注意するべき点は以下の通り。

  1. 店に入ったら臭いあるいは犬舎が臭い(多少はしょうがないですが悪臭は要注意)。

  2. 展示されてる子犬達の表情が暗い或は健康状態が全体的に悪そう。

  3. 犬の鳴き声が止まらないもしくは多い(頭数)

  4. 生後49日以下で販売してるところは違法です。

  5. 子犬のトイレや生活空間が汚い。

  6. クルクル回ってる子やずーっと同じ場所で行ったり来たりしてる子(過剰なストレスがかかってる行動)がいる。

  7. 成長と共に適切なワクチンが打たれてない子がいる。

  8. 同じ兄弟でも値段の差が激しい(メスはオスより高い場合が多いです)。

  9. 子犬を触る前に手洗いや消毒等を怠っている。

ペットショップで聞くべき事

店員にやな顔をされても命を預かるので聞くのは当たり前です。

  1. この子はいつお店に来ましたか?

  2. その前にどこに居ましたか?(たらいまわしされてる事もあります。)

  3. 何処で生まれましたか? (遠いところで生まれた場合その分移動に時間がかかってるので早く引き離された可能性もあります。)

  4. 兄弟は何匹いましたか? (犬種にも寄りますが少ない場合は要注意)

  5. 店舗に来てから健康状態はどうですか? (下痢や嘔吐に要注意)

  6. 両親の血統書或は性格を教えてください (わかる範囲で)

  7. 散歩は一日何回行ってますか? (ワクチンが済んでる場合)

  8. 今フードは何を食べてますか? (離乳食の場合は要注意、普通にドライフードを食べてるなら良し)

  9. この犬種に関して一般的にどういう健康リスクがありますが?(犬種によって健康面のリスクが異なります。それを明確に答えられると良いでしょう)

  10. 子犬の生体保証とかありますか? (無い場合、または期間が短い場合は要注意)

  11. 売れ残った子はどうなるのですか? (引き取ってくれる業者が居ますは要注意)


ブリーダーに聞くべき事

  1. この子の両親も見せてくれますか? (種付けの場合はどちらかしかいないが駄目と言われたら要注意)

  2. 両親は何歳ですか? (母親が4歳以上の場合は要注意)

  3. 両親はどういう性格ですか? 

  4. 両親は今まで健康に問題とかありましたか? 

  5. 今回は何回目の出産ですか? (多い場合は注意)

  6. 前回或は次はいつ出産予定ですか? (1年以内は要注意)

  7. 兄弟は何匹居ますか? (犬種にも寄りますがあまりにも少ない場合は要注意)

  8. 兄弟も見せてくれますか? (49日未満で見学してるにも関わらず見せてくれない場合は要注意。ただ感染症等のリスクを防ぐため断られる可能性もあります)

  9. しつけとかされてますか?(最低限トイレのしつけをされてたら良い)

  10. 子犬の生体保証とかありますか?(無い場合、または期間が短い場合は要注意)

  11. この子の性格はどんな感じですか? (ちゃんとしたブリーダーは一匹一匹説明できるはず)

  12. 買う上でそちらの条件とかありますか?

  13. 売れ残った子はどうなるのですか? 


健康だから・・

健康等は買う時に重視されますが、必ずしも健康な犬が最適な犬とは限りません。多少障害があっても、それでちゃんと一つの命として向き合えるならばきっとお互い幸せになれるでしょう。それより問題を抱えてる犬をお客さんに隠して売る方が悪質で悪循環に入って行く可能性が高いです。その場合、医療費が払えない、性格の問題、思っていた犬と違う、などの理由で手放してしまうケースも少なくありません。



最後に

純血統だから良い犬とは限りません。お店やブリーダー以外に保護犬を迎え入れるという選択肢もあります。人気度や可愛さで買うより、お互いの相性、性格、生活リズムなどにあっているかどうかで是非判断して頂きたいと思っています。 どんなに高いお金を払って優秀な犬を手に入れても、ちゃんとしたしつけと犬種の理解と愛情をたっぷり注がないと「パートナー」と呼べる犬にはなりません。お互いが楽しい人生・犬生を送るには、犬への理解と命を預かる立場としての覚悟が大切です。




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