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執筆者の写真マクニコル

5ヶ月から8ヶ月は反抗期?!



子犬は日々体格、性格、知能が成長します。

この時期は反抗期と言われる時期で、好奇心の塊である子犬に自信が付き、ルーティーンが定着します。飼い主とのコミュニケーションの取り方を再確認したり、どこまで何が許されるかを試してくる時でもあります。そのため、この期間は飼い主と犬との関係をつくる大事な時期です。信頼関係をしっかり作ることで、1歳を迎える頃には愛犬とあうんの呼吸で毎日を過ごせると思います。


まず、5ヶ月になるまでに以下の事ができている事か確認しましょう。

1.トイレのコントロールができている

 -トイレのコントロール(我慢)ができ失敗がほとんど無い。

 -トイレのリズムが落ち着いた

 -トイレを外でもできるようになった(外でさせたい場合)

2.ケージに落ち着いて入っていられる、また夜はケージの中で静かに寝られる。

3.呼び戻しの基本ができている、またはある程度できてきた。

4.おすわりができる。

5.待てが大体できている(完璧ではなくて良い)。 6.散歩が上手になり、ほとんど引っ張らなくなった。

7.お風呂や爪切り(必要な場合)を経験している。

8.夜泣きや要求吠えが収まっている。

9.人間や他の犬に対する社会性を身につけてきた。

10.おもちゃで一緒に遊ぶ事ができる

11.甘噛みをしなくなった


もしこの中で不安な点があれば、その項目を焦らず集中的にじっくりトレーニングをするのをおすすめします。



では、5ヶ月から何が変わるのか

子犬は5ヶ月を迎える頃、今までのイケイケドンドンのエネルギッシュな感じからちょっと落ち着き、物事に対する分析や判別の力が増してきます。加えて、恐怖心も芽生えてきますので、知らないものや人への対応の仕方や、社会性を幼少期から伸ばす事が重要になります。早い段階から色々と経験させると落ち着いて対応ができるようになり、スムーズに物事を受け入れる事ができます。ただ、5ヶ月までに社会性を身につける事ができていなかった場合、新たに加わった感情である恐怖心と戦うことになり、新しい事になかなか慣れてくれない事があります。場合によっては恐怖心が強すぎて追い込まれてしまい、犬は「逃げる」か「戦う」かの2つの選択どちらかを選ばざるを得なくなってしまいます。逃げる場合は脱走、戦う場合は噛むという事なので社会性を身につけることはとても大切です。

また、恐怖心と同時に自信も付いてきます。もう慣れている環境では自信を持って怖がることなく探索をしたり、今までの経験を生かして新しい事にも挑戦していきます。 この恐怖心と自信、二つの要素が被る時期なので、飼い主の意思とは違うことをしてしまうこともあり、反抗期のような現象が起きます。



反抗期でよく見られる行動は色々あります

例えば、今まで呼び戻しができていたのに今は全く聞かない、呼んでも来ず犬が満足してからくるといったこと。「ハウス」や「ケージ」と言っても以前のようにすんなり入ってくれない、入ってはダメな場所に今まで入らなかったのに入るようになった等。基本的にコマンドを聞かなくなってしまう事が多いです。


ここを乗り越えるために重要な鍵は「メリハリ」です。ダメな事と良い事をはっきりさせる事が大事です。ただここで忘れがちなのが褒める事の大切さです。「ダメ」と言い続けるのではなく、良い事をした時にはいっぱい褒めてあげる事がメリハリの大きなポイントになります。

例えば本来乗ってはいけないソファーに勝手に乗ってしまった場合、低い声で冷静に「ダメ」と言い、降りてというコマンドでソファーから降りるまで指示をしてあげてください。子犬もそのダメな雰囲気を感じて降りてくれるので、降りた瞬間思いっきり褒めてあげてください。どうしても降りない場合は好きなおもちゃで誘導して、降りたらすぐ褒めながらそのおもちゃで遊んでください。

次に呼び戻しが効かない場合、庭など塀で囲まれている脱走できない安全な場所で遊んでみてください。そこで呼んでみてすぐ来ない場合は、しゃがんで楽しそうな雰囲気で「おいで」を何回か言ってください。基本来るまで諦めないのがポイントです。仮に来ないからと言って犬の方に駆け寄る事は絶対しないでください。呼ばれてるけどこっちに来るまで遊んでよう、と犬は思うようになってしまいます。

もし楽しく「おいで」と言っても来ない場合は「おいで」と言いながら犬から背を向けて離れ、犬を置き去りにするようにしてください。

そうすると犬は「置いてかれる!」と思い急いで後を追って来ます。来たらいっぱい褒めてあげて遊びを再開してください。

ここで「おいで」を無視すると置いていかれる=嫌な事が起きるということと、「おいで」と呼ばれた時に行けば構ってくれる=いい事が起きるという2つを犬は覚えてくれます。

これを何度でもできるまでやれば、将来お互いに安心して色んな場所へ一緒に行く事ができます。



コマンドで縛られていて可哀想ではなく、コマンドがあるから逆に自由度が高くなると思ってください。

例えばスカイラボでは、スカイたちは基本的には家中自由に動き回れますが、人の出入りがあっても飛び出さないトレーニングをしてあります。万が一飛び出してしまっても「おいで」で戻ってくるので、安心して自由に過ごしてもらえます。

逆に飛び出すかもしれない、または飛び出したら帰ってこないという場合は、来客者があるとどこかに繋げるかケージに入れるかをしないといけなくなり、出入りがある限り自由度が減ってしまいます。



それを踏まえ、今まで教えてきた事を復習しながら強化していくのが大事です。

「おすわり」と言っておすわりをしなかったら、「あー今日はそんな気分じゃないのか、まあいいや」ではなくちゃんとおすわりして褒めるところまでやるのが重要です。もし途中で諦めてしまうと、愛犬はこのコマンドは無視してもいいんだと思ってしまいます。

この徹底した対応は家族全員で同じようにする事も大切です。一人でもコマンドの無視を許す人がいるとなかなか定着しません。

人間の子供もそうですが、いつも嫌いな野菜を食べるように促していても、おじいちゃんおばあちゃんの家では食べなくて良いとわかれば、そんなに頑張って野菜を食べる必要は無いんだと思って、食卓でもより拒絶反応をしたりします。


小型犬でよく見られるのが、この5ヶ月~8ヶ月の時期に、散歩を嫌がったり途中で座り込んでしまった時に抱き上げてしまうケースです。それをしてしまうと、犬は散歩を嫌がる/座り込むと抱っこをしてくれる、と覚えてしまい、抱っこをしてもらうために散歩を拒否してしまったりします。それが定着してしまうとなかなか散歩は上手くいきません。

犬が座り込んだ場合は一定の力(引きずらない程度)で行きたい方向へ引っ張れば、そのうち諦めて歩いてくれます。ただ体に痛みがあったり体調が悪い時犬は座り込んだりしますので、気になる方は獣医さんに相談してからトレーニングを行ってください。


この反抗期と呼ばれる時期は成犬に向けての第一歩でありとても重要です。これまで以上に楽しく愛犬と過ごすために、家、家族そして社会のルールを理解させる事が重要です。

子犬の時から心が折れそうなくらい大変な時もあったと思います。ここを愛犬と一緒に楽しく乗り越えれば、お互いの信頼が増して今まで以上にパートナーになれると思います。そしてパピーらしさの最後の時期とも言えますので、楽しみながら一緒に過ごしてください。



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